ところにょり
―ゲームについてご紹介をお願いいたします
「違う冬のぼくら」は2人プレイ専用のパズルアドベンチャーゲームです。
最大の特徴は協力ゲームでありながら2人の見えている世界が全く違っているということです。
自分にしか見えていないことを会話によって共有することで、認識が噛み合わない困難を乗り越えて進んでいきます。
―Photon Fusionの採用理由を教えてください
第一の採用理由は信頼性です。
元々は別のサービスで実装しアーリーアクセスでの公開も行ったのですが、特定の国などの一部環境で接続が行えないことが頻発し怒涛の低評価爆撃を頂戴したので、思い切って採用実績も多く信頼性の高いPhotonに乗り換えてネットワーク周りの実装を全て作り直しました。
元々他サービスを使う前はPUNで実装していたのですが(PUN → 他サービス → Fusionという謎の遍歴を辿っています笑)、その時ちょうどPhoton Fusionという新しいものが登場していることを知ったので、新しいもの好きの自分としてはせっかくなので使ってみようとPhoton Fusionを選択しました。
他サービスを選択した時も新しいものが登場したからせっかくなので使ってみようと思い立った選択が大失敗を招いたのですが、Photon Fusionの選択は大成功でした。
―ゲームのどの部分にPhoton Fusionを使いましたか?
オンラインでの2人プレイ専用のゲームなので、最初から最後まで全ての箇所でPhoton Fusionを使っています。
―ゲームはUnityで動いていると思いますが、その他組み合わせて使ったソフトウェア・ソリューションなどありましたか?
2Dプラットフォーマーの根幹の仕組みはUnityアセットのCorgi Engineを使っているので、Corgi EngineとPhoton Fusionを合体させたような実装になっています。
―実際に開発で使用してみた感想を聞かせてください
忌まわしき他サービスとの比較にはなりますが天と地の差を感じるほど使いやすかったです。
接続の安定性も高くネットワークに起因する低評価レビューはほぼ根絶されました。
気になった点としては使いやすさの裏返しにはなりますが、ある程度機能が固定化されていて「どうせこう使うんだろうからこっちでやっとくよ!」という点が多く、大概はありがたいのですが自分のゲームの仕組みと喧嘩してしまうことは少なからずありました。
あとPUNでは存在した機能がFusionにはなかったり、あっても全然違う名前になっていたので、PUNで慣れている人は困惑する部分はあるかもしれません。
新しいからこそ使用人口が少なく参考文献が少ない点が開発時に苦労しましたが、これはもちろん改善されていくことだと思います。
―Photonをゲームに導入したことで、どんな効果(ゲームの表現)が実現できましたか?
別々の端末をPhoton Fusionを介して繋ぐことによって別々の画面で協力プレイを行うという根幹の仕組みを構築できたので、お互いの見えている世界が違い、なおかつ相手の見えているものを見られないからこそ会話によって共有するしかないというコンセプトを実現することができました。
―今後Photon Fusionを使おうと考えている開発者様に向けて、Tipsがあれば教えてください
とにかく使用実績も少なく信頼性も未知数な他サービスに浮気すれば痛い目を見るぞということは声を大にして言いたいです。
現実的なTipsとしては、困った時にGoogleで検索してもほとんど何の解決にもならないので、Photonの掲示板かDiscordで検索することをおすすめします。
大概は同じように困っている人を見つけることができ、解決策に辿り着きやすくなります(2023年夏ごろの話ですが)。
―Photon に改善してほしいこと、追加して欲しい機能やサポートなどはありますか?
ダッシュボードの統計のUIがなかなかの玄人仕様なので、もう少し直感的に確認できるものがあればいいなとは思います(現状このグラフのこの山は何日の何時なのかとかも直感的にわからない)。
あと選択プランのCCUや転送量の規定量を超えた時にメールなどで通知する機能があると開発側としてはうれしいですね。※
Username | ところにょり(本名非公開) |
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Service Info | https://store.steampowered.com/app/1801110/_/?l=japanese |
Website | https://www.tokoronyori.com/ |
※2023年11月 機能のリリース予定