導入事例

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「リトル ノア」の中のヒトに「Photon」について語ってもらったコト~負荷への耐久性とWindowsの悩み~

BlazeGamesさまよりリリースされているリアルタイムストラテジーゲーム「リトル ノア」すでに100万DLを突破。そんな大人気ゲーム・アプリに今回Photon Serverが採用されました。「技術対談」として、株式会社BlazeGames代表取締役社長の岡田さまと、同社取締役の開道さま、そしてサーバーサイドの開発を担ったナイル株式会社代表取締役の小倉さま、御三方とPhotonのエンジニアが語り合った濃い内容をお届けします。

Photonの実績ととっつきやすさ

最初にまず、Photonを採用した理由を伺った。小倉氏は「言語としてC#を使っていたこと、『聖剣伝説 RISE of MANA』の事例記事を読んで、これはよさそうだと思った」と。そして、「実際にSDKを触ってみたら、短期間で使えそうだったので」というのが最大の理由だそうだ。国内の事例のみならず、グローバルでも多数利用されており、またそれが使いやすいということであれば、使わない理由はないのかもしれない。

続いて、様々なPhotonのサービスからPhoton Serverを選択した最大の理由を聞いてみると、レイテンシー問題のクリアをあげていた。「リトル ノアはリアルタイム性が非常に重要であり、クラウドサービスだと処理をクライアントサイドで実装することとなる。その場合のレイテンシーが無視できずサーバー側でロジックを組み込めるPhoton Serverを採用した」とのこと。サービス選定には、こうした要素もあるようだ。

C#で書けるカスタマイズのメリット

続いて、実装に関する話を伺ってみた。すると、まず驚いたのが開発当初はリトル ノアでレイドバトルの実装予定がなかったということ。小倉氏曰く「開発中期にて、今後のゲームにはリアルタイムで動くレイドバトルが必要だから入れようかという話になり開発途中ながら入れることにした。迅速で固くやれる方法を検討していく中で、上記で話した通りPhoton Serverを使って作業を開始。作業を初めて1ヶ月程度である程度形になり、サーバー側もUnityとある程度共通化ができるC#を利用してカスタマイズを進めていった」とか。

カスタマイズに関してご意見を聞いてみると、「チュートリアルと簡単な使い方までは詳しく資料はあるものの、その先の資料が少なかった」と。ただ、「Photon Serverに関する洋書(Unity Multiplayer Games)があったので、それを読んでいったら解決していった。Photon Serverの構造を理解してしまえば、カスタマイズは2-3日でできてしまいますよ!」とも。理解してしまえば、カスタマイズ性は非常によいのも特徴であろう。ドキュメントの整備は事務局としてより進めていく方針である。

Windowsゆえの運用

実装を終えて、構築・運用フェーズについても聞いてみた。すると、小倉氏曰く「やはりWindowsベースなのがなかなか大変だった。Windows Serverの経験があまりなく、アップデートの手法やウィルスチェックソフトをどうすべきかとか、悩ましいことが多々あったが、Windows Serverのスペシャリストにお願いして対応してもらった」とのこと。また、開道氏は「運用時の状況把握のツールとしてグラフィカルに確認できればよい」とのご意見。パフォーマンスカウンタなどで確認可能なのだが、そのあたりをもう少しわかりやすくしてほしいと。

負荷試験について、開道氏より「負荷そのものをかけるのは大変だったが、実際の負荷はかなり軽く、思いのほか耐えられて非常に安定している」とのご評価をいただいた。「外部との接続はKVSのみ利用したりなど、カスタマイズの実装に関して工夫しているのもあるが、負荷の上限をかなり抑えたとしても、想定より少ない台数で処理ができたのはコスト面においても非常にありがたい」と。Photonの性能・安定性はこちらでもご評価いただいている。

クライアントの開発もスムーズに

クライアントの開発はUnityと.NET SDKで開発されたとのことだが、概ね順調な開発だったそうだ。ただ、小倉氏曰く「Androidで機種やバージョンで挙動が多少異なる部分があり、チューニングなどである程度は対処できたものの、苦労した」とのこと。

改めてPhoton以外の選択肢について聞いてみたが、「自前開発なども検討してみたものの、Unity周辺ではPhotonがよい!との声が多く、情報量もあったので、それが判断要素として大きかった」とか。「サーバーサイドがVisual Studioでコーディングできるのも非常に魅力的だった」そうだ。

クライアントサイドのチューニングについては、「サーバーサイドと合わせて、非常にシビアなチューニングを行ったので、ギリギリのラインでの調整が大変だった。ただうまく動いたのでよかった」とのこと。厳しい環境にも対応できる点がよかったようだ。

Photonで新しい世界を

Photonを使った感想を聞いてみた。小倉氏は「新しいことをやれたのは非常に面白かった。Windowsなのが大変で、いままでのノウハウがあまり使えないのが大変だったが、なんとか乗り越えて使えている」と。また、開道氏は「クラウドサービスでもスケーリングでデプロイに時間がかかる点など、不安な点もあるのは今後注視していきたい」とのことだった。続いて、Photonの可能性について伺ってみた。岡田氏は「今回はターン制ではなく、完全にリアルタイムで動くものだったので、細かい対応ができるとよりリアルタイム性の高いゲームでの利用も可能性が広がるかなと。今回利用してみて、北海道と東京のスタジオ間で同期が取れるかどうかなど、実環境に近いテストを行ってみたが、しっかりと同期が取れていたので、今後の可能性は非常に高いかなと感じている」とのことだった。

また、開道氏曰く「少人数のMOには非常に向いているものと感じているので、今後人数を増やした場合にどう対応できるか、検討していかなければならない。また、MMOにも対応できたら大幅に開発工程は削減できると考えている。同時接続に関する処理が一番大変なので、そこをPhotonを使って工数を削減できれば、非常に魅力的であると思う。MMOを開発している会社からすれば、かなり脅威であると感じられるだろう」とのこと。また、今後Photonを利用するかどうかを聞いてみると、開道氏は「今後のゲーム開発においては、通信という要素はほぼ必須かなと考えているので、ぜひ利用を進めていきたいと思う」とのこと。また岡田氏は「今回のリトル ノアの手法を拡張したり、またまったく別の手法を用いたり、いろいろな可能性があると考えている」と。小倉氏からは「リトル ノアではDAUに対してリアルタイムのニーズは高く、高負荷でも耐えられるのはありがたく、また低コスト・低リスクでできたのが一番よかった」との評価をいただいている。

Photonに関して、非常に大きな可能性を感じているようだ。

最後に

このリトル ノアでは、リアルタイム通信を開発途中で入れることとなったものの、Photonを使うことによりスムーズに開発・リリースができたようだ。Windowsのハードルなどもあるが、使えてしまえば非常によいものだとご意見をいただいている。今後の可能性も感じていただいているので、魅力的なものとなっているようだ。すべて無料で利用ができるので、興味をもったらぜひ触って試してみてほしい。

今回「Photon」について語ってくれたヒトビト

岡田 佑次 氏
BlazeGames株式会社
代表取締役社長
開道 正明 氏
BlazeGames株式会社
取締役
小倉 唯克 氏
ナイル株式会社
代表取締役社長
CEO/CTO

アプリのご紹介

「リトル ノア」

圧倒的なビジュアル・サウンドのリアルタイムストラテジーゲームの決定版。最大4人での「リアルタイム協力バトル」が可能。